厚生労働委員会解説 改定

(2021/6/14)

6月9日厚生労働委員会での厚労大臣の答弁には多くの事実誤認があり、JFKとしては
厚労省の国内、海外の実態の調査に基づき通達、ポスターを修正、撤廃していくこと
を求めます。



川田議員「厚労省が空間噴霧を推奨しないのには根拠があるのか」
田村大臣「空間噴霧に国際的な知見を踏まえて評価が確立していない」
← 大臣答弁には事実誤認があります。

1. 「国際的な知見」以前に、次亜塩素酸水の空間噴霧は日本では労働安全基本
法に定められている安全基準の中で20年間にわたり農業、酪農業、食品加工業などで行われてきているものであり、事故事例もなく農水省特定農薬基準、文科省学校プール室内塩素濃度などで認められているものです。国内の使用状況と国内の他省の基準などは厚労省でもいますぐ確認が可能です。

2.  国際的には、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、フィンランド、イタ
リア、スペイン、中国、台湾、韓国、ベトナム、インド、EAUほか世界各国で消毒剤
の噴霧による新型コロナウイルス感染対策が取られています。



厚労省でも海外の文献調査や業界の聞き取り調査でも最新の調査が可能です。



田村大臣「付着菌に効果があるか、評価が固まっていない。」
「消毒効果があるものを噴霧して吸い込むことに推奨されていないので吸入すること
に注意しなくてはならないので、空間噴霧を推奨することは難しい。」

← 空間噴霧の効果と安全性については国内の公的機関、大学などのエビデンスが
200件以上あり、JFKホームぺージに掲載している。厚労省としてもいますぐ確認が可能である。
<https://jia-jp.net/evidence.html> 効能・安全性のエビデンス | 一般社団法人次
亜塩素酸水溶液 普及促進会議 (jia-jp.net)

川田議員「WHOガイダンスに次亜塩素酸水についてコメントしていないという回答があるが確
認したか」
田村大臣「WHOに確認していないのは事実。一方で国際的知見として有効であるということも
確認していない」

← WHOに確認もしないで国民の健康にかかわる通達を出すことは極めて無責任であ
り確認できていない通達は撤回すべきである。

国際的知見がないのではなく、厚労省が確認する作業をしていないのではないか。

厚労省自らがいますぐに文献調査、海外調査など確認作業を行うべきである。

WHOのウェブサイトのコロナウイルスに関するエビデンス集にも17件の次亜塩素酸水の記載がある。(後述)

 

JFKがユーチューブで検索しただけでも世界中でこのような空間除菌の実態がある。

 <https://jia-jp.net/exe/kaigai/> 海外除菌事例 | 一般社団法人次亜塩素酸水溶液 普及促進会議 (jia-jp.net) 

厚労省はWHO、CDCに頼るだけでなく、日本独自での感染研究所や大学研究施設による効果や安全性の確認試験は可能であり、ネガティブな検討だけでなく、国民の健康と命を救うために感染防止に役立つ可能性を探っていくアクティブな取り組みを行うべきである。

 

 

[ WHOのコロナウイルスに関するエビデンス集より]

次亜塩素酸(hypochlorous)で17件掲載。そのうち、特筆すべきものを抜粋。

 

Comparison of the SARS-CoV-2-inactivating activities of the differently manufactured hypochlorous acid water products with various pH

様々なpHの次亜塩素酸水におけるSARS-CoV-2の不活化比較

2021 Journal of Water and Health  帯広畜産大より発表

https://iwaponline.com/jwh/article/doi/10.2166/wh.2021.260/81767/Comparison-of-the-SARS-CoV-2-inactivating

強酸性、弱酸性の次亜塩素酸水のコロナウイルスに対する効果について。どちらも効果がある。

 

A sprayable Acid-Oxidizing solution containing hypochlorous acid (AOS2020) efficiently and safely inactivates SARS-Cov-2: a new potential solution for upper respiratory tract hygiene.

次亜塩素酸(AOS2020)を含むスプレー可能な酸・酸化溶液は、SARS-Cov-2を効率的かつ安全に不活性化し、上気道衛生のための新しい潜在的な溶液である。

European Archives of Oto-Rhino-Laryngology (2021)

https://search.bvsalud.org/global-literature-on-novel-coronavirus-2019-ncov/resource/en/covidwho-1081734

鼻粘膜、口腔内粘膜に対する安全性の確認と、コロナウイルスに対する効果。非刺激性であることを確認。次亜塩素酸水で鼻洗浄をすることで治療効果があるのでは?ということにも言及。

 

The potential use of hypochlorous acid and a smart prefabricated sanitising chamber to reduce occupation-related COVID-19 exposure

業務関連のCOVID-19曝露のための次亜塩素酸およびスマートプレハブ消毒室の潜在的な使用

Risk Management and Healthcare Policy ; 14:247-252, 2021.

https://search.bvsalud.org/global-literature-on-novel-coronavirus-2019-ncov/resource/en/covidwho-1052463

EPA承認次亜塩素酸水の噴霧ブースによるコロナウイルスに関する不活化効果と、安全性の調査。20ppm60秒の接触を確保する。

 

Environmental Disinfection of a Dental Clinic during the Covid-19 Pandemic: A Narrative Insight

Covid-19パンデミック中の歯科診療所の環境消毒:説話的洞察

Biomed Res Int ; 2020

https://search.bvsalud.org/global-literature-on-novel-coronavirus-2019-ncov/resource/en/covidwho-910255

医療、歯科領域における無接触でのウイルス不活化技術に関する調査文献。86の論文があり、過酸化物、次亜塩素酸が最も適している。Table5に次亜塩素酸に関する論文がまとめられている。

その他にも、搾乳機の殺菌、マスクの殺菌、マウスウオッシュなどの研究論文もある。

 

 

[海外論文発表例からいくつか]

 

Stabilized hypochlorous acid disinfection for highly vulnerable populations: Brio HOCL ™ wound disinfection and area decontamination

ハイリスク集団のための安定化次亜塩素酸殺菌  Brio HOCLによる傷の消毒および環境除染  

2017 IEEE(アメリカ電気電子学会)グローバル人道技術会議 (GHTC)

要約:

新しいエリアでのこれまでの病気、これまでに見たことのない新たな感染症、および非常に耐性の高い生物の出現は、災害対応や避難民の管理を複雑にしています。リスク上昇に対応する方法の1つは、病原体がエリアおよび創傷除染および消毒技術を使用して生命を脅かす感染症になる前に攻撃することです。しかし、既存の消毒方法は、薬剤抵抗性の上昇に寄与し、組織に有毒であり、環境を損なう可能性があります。我々は、次亜塩素酸(HOCl)に基づく新しい技術を、ウイルスを不活性化する新しい純粋で安定した形態(Brio HOCL™)に重点を置いて、ここで見直します。 細菌、エンドスポア、および真菌は、人間の組織(眼、肺、皮膚を含む)に対して安全であり、有毒廃棄物処理や有害物質管理を必要としない環境に影響がなく、しかも、およそ99.999%の殺菌率に相当する>5のLog Reduction Value(LRV)で耐性の高いプリオンの感染性を低下させることができる。

Fig3に除菌用噴霧器が掲載されています。200ppmを噴霧するようです。

 

A novel and safe fogging sanitiser for MRSA decolonization and reduction of Actinobacillus pleuropneumoniae aerosol transmission between pigs.

MRSAの発生抑制およびブタ間のActinobacillus pleuropneumoniaeエアロゾル感染の減少のための新規で安全な噴霧消毒剤

2018年4月 Transformi the pork industry (オーストラリア)で発表

超音波噴霧により空間中の除菌効果をDNA量で確認しています。1時間噴霧で96%(培養法では78%)、3時間で99.2%(培養法では99.5%)の低減が見られています。

 

Fight Against COVID‑19: ARCI’s Technologies for Disinfection

Covid-19との闘い:ARCIの消毒技術

2020年6月 Transactions of the Indian National Academy of Engineering(インド)

様々なコロナウイルス対応用の技術が取り上げられています。Fig5では、電解水を体に噴射する除菌ブースに関して掲載されており、100ppmで大腸菌なら30秒で殺菌ができる事が示されています。

 

 

Evaluation of Hypochlorous Acid Fogging: An Alternative Disinfection Method

代替殺菌法としての次亜塩素酸噴霧の評価

2021年 Stony Brook University の化学工学部研究ジャーナル(アメリカ NY) 13-22p

噴霧による腸球菌とインフルエンザウイルスに対する効果を検証しています。5分噴霧での対数減少率は高いものでは6.59,4.9.噴霧の仕方や次亜塩素酸のpH により効果には差が認められています。

 

Impact of a Whole-Room Atomizing Disinfection System on Healthcare Surface Contamination, Pathogen Transfer, and Labor Efficiency

部屋全体の噴霧消毒システムが医療表面の汚染、病原体の移動、および労働効率に及ぼす影響

2021年 Critical Care Explorations 

医療現場において、標準的な殺菌と噴霧による殺菌を組み合わせることで医療現場の労働効率を上げる研究。標準的な殺菌よりも組み合わせたほうが殺菌効果と作業効率が向上した。

 

このほか各国の文献調査を行っていきます。