感染症との闘いで活躍する中国のロボット


(2020/9/10)

 


7日、中国国際サービス貿易交易会の展示ホールで消毒作業を実演する「キャンドル」。(北京=新華社記者/趙旭)

 【新華社北京9月9日】新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大が続く中、中国北京市で開かれている中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)の会場では、消毒ロボットや物流配送ロボット、スマート看護ロボットなど「感染症と闘う」ロボットが国内外の来場者の注目を集めている。

 坎徳拉深圳科技創新の張文芸(ちょう・ぶんげい)設計ディレクターは、今年の感染流行初期に、同社の医療用多機能ロボット「キャンドル」を湖北省武漢市の火神山医院、雷神山医院、金銀潭医院に送り感染対策に役立てたと述べた。



 武漢市の雷神山医院で消毒を行う医療用多機能ロボット「キャンドル」。(3月2日撮影、北京=新華社配信)

 ロボット展示エリア内の新松機器人自動化のブースには、来場者が次々と訪れていた。ここではクマのぬいぐるみがベッドに横たわり、スマート看護ロボットの手助けを借りながら、患者のリハビリ過程を再現していた。

 同社医療健康ロボット事業部の李学威(り・がくい)総経理は、「感染流行初期、われわれは中国医科大学附属第一医院とすぐに連絡をとり、スマート看護ロボット10台と物流配送ロボット7台を寄贈した」と紹介。看護ロボットが感染症患者の回復を支え、医療従事者と患者の接触の機会を減らし、院内感染の確率を下げることで、医療従事者の負担を軽減し、作業効率を向上させたと述べた。

 同じように新型コロナとの闘いの最前線で活躍した優必選科技(UBTECH)の検温ロボットも展示された。同社創始者で董事長の周剣(しゅう・けん)氏は、感染予防・抑制期間中、同社が開発した感染対策ロボットが国内の病院や学校、企業などに導入されただけでなく、韓国や日本、ベルギー、ナイジェリアなど海外にも輸出され、非接触の感染対策に使われたことを明らかにした。



 7日、中国国際サービス貿易交易会の新松機器人自動化の展示ブースで、リハビリの実演を見る来場者。(北京=新華社記者/趙旭)

 中国電子学会のデータによると、昨年の世界のロボット市場規模は294億1千万ドル(1ドル=約106円)で、サービスロボットは前年同期比14.1%増の94億6千ドルと、急速な成長を遂げた。昨年の中国のサービスロボット市場規模は22億ドルで、世界市場の約4分の1を占めた。

 李氏は自社製品について、製品全体の設計・製造からコアアルゴリズム、ソフトウエアプラットフォームまで、全て独自開発したと説明。中国のハイテク産業は既に急速な発展段階にあり、今回の感染症との闘いの過程で、中国の先進的な人工知能(AI)サービスが世界の消費者を支えたことは、中国の科学技術の実力を示していると述べた。(記者/趙旭、関桂峰、強力静)

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